CEO Message

代表取締役からのメッセージ

香りビジネスは、食べ物や飲み物を中心とする食品香料(Flavor)や化粧品や洗剤をなどの香粧品香料(Fragrance)をはじめ、アロマテラピーに使われている精油(Essential Oil)に至るまで多岐に渡っています。特に、近年においては、香りをプロモーション機能として扱うコーポレートセント(Corporate Scent)が注目を集めています。病院やホテルのロビー、百貨店や家電量販店などの売り場において香りを付加することにより、企業イメージや自社製品の認知度アップを狙ったビジネス戦略が試みられています。

一方、香りを情報(または、記号)として扱う嗅覚ディスプレイ分野における事業化は多く試みられてはいましたが、その成功事例は無いに等しいのが現状だと言えます。私は、その原因として香りの制御技術とともに運用方法に繋がるインフラの欠如が大きく関与しているのではないかと考えております。嗅覚ディスプレイを電車に例えると、今まで電車を開発する人はそれなりに多くいましたが、電車が走れるために必要なレールを敷く人はほとんどいませんでした。このため、有効なシステムとして日常生活に浸透していないのだと思います。もちろん、嗅覚ディスプレイの普及に香りの制御技術の進展は重要な要素ではありますが、香りの制御技術だけが進歩しても運用方法や社会インフラが伴わない限り、依然として定着しないことになります。ここで、嗅覚の特性について考えてみますと、視覚や聴覚のように汎用性を持たせることはできないのが現実です。故に、再現可能な香りの種類と回数には限りがあります。これらの諸制約条件をもとに、効果的な運用方法として考えられるのがソーシャルメディア(Social Media)との連動です。限られた香りの種類であっても、多様なソーシャルメディアが特定の香りを共有することで、多彩なコンテンツに対応可能になります。具体的には、ブログサービスや、動画共有・配信サービスに使用されている香りを、ソーシャルネットワーキングサービス(Social Networking Service,SNS)や口コミサービスなどにおいても共有できるような仕組みを作ることです。

なお、インフラ構築においては、多対多のインタラクションシステム及び双方向の創作活動を促すインターネットベースのプラットフォームといった環境構築が鍵になると思います。要するに、通常、香りコンテンツの消費者であるユーザを、香りコンテンツの生産者へと導くことで膨大な香りコンテンツの創出に繋げるといった考えです。このようなインフラを構築すれば、利用可能な香りコンテンツの増加を促すだけではなく、多様なコンテンツに対応可能な嗅覚ディスプレイの出現をも促すことで、更なる技術発展にも繋げられると考えております。このような好循環が生まれれば、自然に嗅覚ディスプレイの市場は定着して行くことになると思います。

アロマジョインでは、香りの時空間制御技術をもとにした嗅覚ディスプレイである「Aroma Shooter」の持続的な研究開発のみならず、インターネットベースのユーザ参加型プラットフォームである「AromaStage」の構築にも力を注いでおります。また、「香り連動アプリケーション」及び「香り連動ゲーム」などの多様なコンテンツの開発も行っております。既存のメディアに香りを加えることで、新たな香りメディアの創出を目指します。

香りビジネスのきっかけ

日本では、1960年にカラーテレビ放送を開始しておりますが、韓国では、20年遅れて1980年にカラーテレビ放送が始まりました。それから間もなくして我が家でもカラーテレビが見られるようになりました。当時、母親が「カラーでテレビが見られるという時代だから何時かテレビから香りも出る時代が来るかも」といったのがきっかけで、大学院において「香りの出るテレビ」の研究を始めました。大学院卒業後は、国立研究機関である情報通信研究機構においても、五感情報通信の一環として「香り制御装置」の研究開発に従事するようになりました。研究開発が進むにつれて、モニターやスピーカーのように香り制御装置が普及するのを夢見るだけではなく、実際に使われるように実用化したいという願望が強まってきました。また、研究者としてアカデミック領域だけではなく、ビジネスマンとして実用化に至るまでの全プロセスをマネジメントしたいと強く思うようになりました。香りの出るテレビが出現するのを待つのではなく、自ら実用化し、積極的に広めて行くことで「世の中のメディアを変えたい!」という強い意志から香りビジネスをはじめました。これからのメディアは、香りとともにより豊かで臨場感溢れる「アロマメディア」として新たな時代を迎えることになるかと思います。

代表取締役のプロフィール

CEO Dong Wook KIM

金 東煜キム ドンウク (Dong Wook Kim /1972年生まれ /韓国釜山出身)15歳から新聞配達、シューズやテントを製造する工員をはじめ、ガスボンベの配達員、二輪車整備工、バイク宅急便などを経験。徴兵で韓国空軍(第一戦闘飛行団)を除隊後、1995年来日、チラシ配達員、レンタルビデオ配達員、飲食店、クリーニングショップなどでアルバイトをしながら日本語学校、専門学校、大学及び大学院を通う。2009年、北陸先端科学技術大学院大学 知識科学研究科 博士後期課程修了(嗅覚ディスプレイ専攻、平成20年度修了生代表、優秀修了者表彰状受賞)。2009年4月-2014年3月、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT) 多感覚・評価研究室 研究員(嗅覚ディスプレイの研究開発に従事)。2012年10月、株式会社アロマジョインを設立,代表取締役に就任。博士(知識科学)。

Aromajoin Scent Platform